アルファベット【GOOGL】は12月3日、共同創業者のラリー・ペイジ最高経営責任者が退任すると発表しました。

この発表は、理想主義的な検索エンジンから技術一枚岩への同社のゆっくりとした変革を固めるものになるかもしれません。
共同創業者であったラリー・ペイジ前経営責任者(CEO)は5年も経たないうちに、会社全体を再編成し、Googleをより大きな持株会社Alphabetの子会社に変えました。
ペイジ氏はピチャイ氏をGoogle CEOに任命し、検索、Android、YouTube、Chrome、ハードウェア、クラウドコンピューティング、およびその他すべてのコアビジネスの責任者にしました。

アルファベットの再編成から4年後の火曜日、ピチャイ氏はさらに大きな仕事を得ました。
Googleだけでなく、会社全体のCEOになったのです。
そんな彼はエンジニア出身の穏やかな政治的タイプであり、社内の技術者・非技術者から尊敬されていると言われています。
しかし、現在彼には様々な課題が待ち受けているようです。
人的問題
人的問題という言葉が良いのかわかりませんが、アルファベットは人的問題・従業員問題で様々なものを抱えています。
ニューヨーク(CNN) 米紙ニューヨーク・タイムズは、グーグルが性的不法行為を理由に退職した経営幹部3人に対し、多額の退職金を支給していたことが分かったと伝えています。
これは100億円超の退職金となり、女性従業員よりも影響力の強い男性の方を優遇するグーグルの姿勢に対して疑念を投げかけているものとなっています。

直近ではGoogleに解雇された4人の元従業員が政府機関にGoogleを不当労働慣行で訴えを行っています。

また、国防総省とのドローンに関する契約を巡って、社内外から猛反発が生まれたりもしました。
そのため、同社はProject Mavenと呼ばれるペンタゴンとのパートナーシップを終了しました。

このようなことをきっかけに、同社は、政治的な議論を禁止し、月次の会議をキャンセルするなど、歴史的に「オープンな」コミュニケーションを閉鎖しました。
またブルームバーグのレポートによると、今日に至っては従業員の信頼は非常に低く、一部のGoogle社員は現在リーダーが彼らをスパイするツールを作成していると非難しています。
こういうことを聞くと少し悲しくなりますね。
政府・政治関連
また政府からの圧力にも直面しています。
米司法省がグーグルの広告・検索事業を精査、反トラスト調査を開始しだしたようです。
反トラスト当局者は出版社や消費者と直接取引するネット業者など、グーグルに対し不満を抱えているとみられる第三者企業と積極的に会合を重ねていると、事情に詳しい関係者2人が語りました。
その1人によると、広告会社や広告関連のハイテク企業も当局者と協議しており、さらに会合が予定されているようです。

また米国大統領選に関しては、大きな影響力を持ち、米大統領候補ともされているマサチューセッツ州選出のElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員が、Amazon、Google、Facebookによる経済力の統合に批判的です。
そして今、彼女はこれらの企業の分割を提案し、それを大統領選の柱のひとつにしようと考えているそうです。
その為、彼女が大統領になった際は、企業の分割を命じられる可能性もあります。
(個人的にはそんなことが可能なのか?!とは思いましたが笑)

次の収益になるものの模索
アルファベットは、収益の大部分を占めるデジタル広告ビジネスの減速に備えています。
2019年の第1四半期に広告収入の減速を示し、第3四半期に前年からの利益の減少を示しました。

いくつかの試みと買収にもかかわらず、ハードウェア製品ラインからの実質的な収益の獲得に苦労しています。
買収といえば直近ではFitbitを買収を発表しましたね。
これもどのようにして活用するのか?に注目があつまります。

Googleは何年もクラウドコンピューティング市場で模索していましたが、MicrosoftやAmazonに比べて遅れています。
また、世界屈指の医療機関である米メイヨー・クリニックが、グーグルとの提携を発表しましたが、Googleが収集した患者データをどのように使用し、保護するかを疑問視されました。
Googleが患者情報を独自の目的で使用していないことを明確にした後でも、疑惑は続いており、プライバシーの破綻が問題となっています。

アルファベットはこのような重要な新規事業に注力する一方で、検索アルゴリズムの更新や量子コンピューティングのマイルストーンなど、収益とはほとんど関係のない奇妙な新規事業の発表も行っています。
まとめ
アルファベットの最高責任者が代わり、もしかすると配当金がでるようになるのでは?との噂もされています。
反対に、会社が大きくなりすぎてしまい、いろいろなところで問題が発生していることも見逃せません。
ピチャイ氏がどのようにこれらの問題を片付け、あらたな収益源を作っていくのか、注目ですね。
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